2014-03-14

意外なところだった


   とあるTVドラマでの呑み屋の所在地。 ロケ地は神楽坂あたりとばかり思っていた。
   さきほど、ひょんな事からそのドラマのロケ地情報をネット上に見つけ... ...あれっ? 赤坂某所で気になっていた、階段がちょこんちょこんと続くこの道は、どうもその場所らしい。

   ずっと前に通院していた赤坂の地、その後は電話機(スマートフォン)の修理依頼やら、全日空ホテルでの用事の帰り道やらでたまに通る「気になる地」である。
   地名通りに坂がたくさんありカメラを持って歩くにもなかなか面白い地形。 この階段の通りは、特に反対側(写真では奥側)からの日中の逆光気味の光景に惹かれ、この写真は2度目の訪問での1枚。

   ちなみにTVドラマで観るそれは、ずいぶんと雰囲気は異なっている。 目の向け方で様々に見え、表現し、映像の世界の面白さ、不思議さ、技巧の妙に想いを巡らす出来事だった。

2014-03-10

パン屋さんへ


   ずいぶん久しぶりに立ち寄ったパン屋さん。
   春という時分なのだが、シベリアの寒気が下りてきているとかで気温が上がらず冷たい北風が吹いて、風見鶏も忙しそうにクルクルと。


   焼きたてのパンの香りがする店内。 そこは古民家を改造したような空間で、程よく暗く、程よく外光が回り込む具合が居心地よい。 コーヒーを飲みながら本を読んでいる人、パンを手に話をしている人々、それぞれに、それぞれの時間。 店内には、そうして空間にくつろぐお客さんの姿があるので、パンやお店の様子の撮影は遠慮。
   小麦の味や小麦の香りのするパンは、なんだか貴重に思える。 日本で一般的に手に入るパンも美味しいのだけど、こうした素朴さを味わえるかというと、それは意外と難しい。 安堵感 - パンもお店の雰囲気も、そういう感じ、かな。


   以前はもっと古い板といった風な床だったと記憶していたが、気がつけば黒く落ち着いた塗色の木製の床。


   テーブルの上にあったのは、流木なのか旧い木材なのか、古びた板の上に木の実がパラパラと。 カシの実と、これはカカオ?
   今日は雲の様子を見ていて、それほどの根拠なくElmarit-M 28mm F2.8 Asph.を選択。 白黒にしてみると、わりと軟らかい描写をするンだなぁと感心。


   隅っこにあったのは、年季の入ってそうなスピーカー。 "DIATONE"とある。 三菱製だ。 三菱がスピーカーの製造を止めてしまったのは、もう10年以上は前になるだろうか。 DIATONEの音質には定評があり、解像度・定位感・輪郭と、なかなかバランスよく鳴ってくれる。 個人的にはDIATONEは3-Way機が好みで、中域の出し方もクセがなく電子音でもボーカルでも管弦楽でも、何でもござれな安心感のある音だった。
   このDIATONE、型番は... DS-..? そういえば見なかった。 Norah Jonesがかかっていた気がする。 年式のわりに繊細な高音、たっぷりエージングされたユニットからの中低音と、陽射しの風合いとゆったりした店内の時間の流れに似合う音色。


   お店が開いている曜日が案外少なくて、それもあってなかなか辿り着けないことが多い。
   そうした事も手伝ってか、久々に行けたときの満喫感は、その後ながいこと記憶にとどまる。

2014-02-16

「C」引力



   横浜での展示会 - コシナのブース? 「ZEISS」の看板を掲げたブースにて、「C」の付くCarl Zeissレンズ3本の試用と、Voigtländerのレンズ1本をで試写させて頂くことができた。
   初めて使った C-Sonnar F1.5/50mm、これは面白い写りだった。ただ被写界深度が浅いの云々にとどまらず、背景のボケ味の不思議なこと。 さすがにZeiss、ボケは二線ボケのようなうるささはなく、遠近感、立体感を残しながら、それらが主張するでもなく、その頃合いは違和感なく「絵」として画面全域が一体になるようにピントを外れてゆく。
   コントラストも程よくあり、Summicronのような画面全体の均一感とはまた違った全域の「一体感」。ハイライトはすぐに飛ばず、色の偏りも少ないようで、撮影データはPhotoshop上でもよく粘ってくれそうな印象を持った。
   撮り方としては、「まなざし」という言葉が似合うような向き合い方が、目や手に馴染んで心地よさそう。


   C-Biogon F4.5/21mm - こちらは数度目の試写になる。 何と言ってもカラー・バランスにクセが無いという感触と、ピントの合ったところのシャープな描写、それでいて全体的には柔らかいというこのレンズの特色は、例えば街並を撮れば、客観的な街の風景のなかに人々の日常をそれとなく醸し出す、「風景の証人」とでも言い得られそうな「視線」にあるように思える。

   C-Biogonの"C"は、"Classic"に由来すると聞いたことがあるのだが、コシナに電話した時に、何気なく「クラッシック・ビオゴン」と呼んだところ、相手は少し間をあけ、「シー・ビオゴン、はい。」と言い直していた。
   後に目にした物の本には、「"C"はコンパクトの"C"とも、クラッシックの"C"とも言われているが」とあった。
   いずれにせよ、C-Biogon 4.5/21、C-Biogon 2.8/35、C-Sonnar 1.5/50のそれぞれは、旧来の銘レンズの設計を踏襲している。 コシナのウェブ・サイトには「天才レンズ設計者、ルードヴィッヒ・ベルテレにより生み出された...」とあり、この3本は、繊細でありながらしっとりしたシャープ感と、優しく懐の深い光と色の距離感を表現する。 レンジ・ファインダーと言えどファインダーを覗くとその視線に立つわけで、そこが最も惹かれるポイントだと感じる。

   VoigtländerはColor-Skopar 25mm F4Pを試させて頂いた。
   こちらはVoigtländerらしく、実にシックな写りだった。 ファインダーに現れたのは24mmの枠だろうか、その枠にピッタリの範囲で撮影できる使い勝手は、同じく広角系の21mmやそれよりも広い画角のレンズでは味わえない手軽さに思える。 撮るものに対してレンズの焦点距離は、非常に大事な要素なので、「手軽さ」でまとめてしまうのは乱暴ではあるし、例えば21mmと25mmの「4mm」という差異は、広角域にとっては意外に大きかったりする。 それでもこのコンパクトさといい、レンジ・ファインダー・カメラ本体のファインダーで事足りる機動性は、様々なひらめきや意欲をもって撮影へと駆り立ててくれそう。

2014-02-14

フィルム色


   横浜で開催された「cp+」という写真機材の展示会でのショット。
   ソニーのブースで試写が出来た「α7」でのショット。 レンズはカール・ツァイス。 「α7」は、あちらこちらで評価の高いカメラで、確かにそうしたレビュー記事を見ると写りがいい。
   そして「写りが良い」と感じるそれが何なのかがずっとモヤモヤと気になっていたのだが、そこがなんとなく見えた気がした。 今回「しっくり」きたのは、その描写に「フィルムっぽさ」を見いだしたからだろう。
   そしてこのレンズ、描写の滑らかさも、色のりも、背景のなだらかなボケ具合の自然さも、すごく「しっくり」。


   こちらはオリンパスの「OM-D E-M1」でのショット。 レンズはズイコーの12-40mm F2.8。
   ここ数年前から、ズイコー・レンズはだいぶスッキリ傾向と感じる。 ずっと昔に、遠景でコントラストが薄れ、全体的にどこかザラっとした印象を持って以来、長いことその記憶が居座っていた。 それが大きく性格を変えてきている感触。 このとき最も感心したのは、適度のシャープネスと適度なしっとり感。 たぶんこの2つはレンズの性質としては相反する方向性だと思うのだが、これがうまいこと同居している。
   そしてこの試写では、光源のためか偏色もあり後に少し補正しているのだが、描写そのもの・立体感・被写体の存在感と、このカメラの絵作りも好感触だった。 やはりフィルムっぽく映るそれは、安心して写真を撮れる頼もしさでもある。

   オリンパスも、旧くはミノルタとしてカメラとレンズを開発してきたソニーも、さすがカメラ・メーカーのカメラ作りという感じがした。

2014-01-17

西武線沿線


   「すごーく遠い」 - 漠然とそう思ってしまう西武鉄道の沿線諸風景。
   沿線開発に着手するでもなく、呑気な駅員さんも何をするでもなく客の流れに流されて時が過ぎての今という空気があちらこちらに漂って見える。
   その昔、と言ってもそんなに遡るわけではなく20年ほど前までは、レッド・アローなんていう「ロマンス・カー」を秩父まで走らせ、そこには鉄道マンらしい西武鉄道の社員の姿があり、見ている先は客だったと言う。
   昨年、外国資本に身売りを計画したが、そこに出された数路線の廃線案に驚いて現状維持を目したが、経営という観点からは廃線案は理解できない話ではない。 ただ縮小すれば何とかなる話でもなさそうでもあり、それ以後何か経営的な手を考えている気配もない。 ...さて?


   沿線の街の開発に頓着しなかった西武。 いっぽう総じて極度にマイペースな「西武線エリア」の独特の土地柄。 なるべくして結びついた感もあり。
   電車の発着では、3分くらいの遅れは恒常的なのだそうだ。 ただ「遠い」という距離感だけでもなく、目に映る光景には脱力感を伴うものも多そうだ。 東武鉄道利用者の目で見ても、東武も不思議なところの多々ある鉄道会社だが、その視点で見ても時間が止まって見えるのが西武線沿線といったところか。

   先日も西武線に乗る機会があり、そのとき車掌さんの車内アナウンスを聞いて感じたのは、頑張っている社員さんの姿だった。 長いものにまかれ過ぎないでほしいもの。

2014-01-06

浅草地下街


   地下街のいちばん奥。 壁一面に絵が描かれていた。 この向かいには皮製品を加工するお店? があるハズだが、今日はシャッターが閉まっていた。


   「亀」って看板、これ、ここに来る度にすごく目に付く。 やや暗い照明の店内で、お客さんが2名ほど、楽しそうに過ごしていた。


   メニューに「キリン」と書かれたビール。 まぁ、キリン・ラガーのラベルは、この雰囲気には合ってる気がするなぁと思いながら、ついでに「アサヒのビルのすぐ近くで『キリン』たぁ!」と、必要ないのにアサヒを引き合いに出す、一、サッポロ贔屓。
   ちなみに、改札に近い「福ちゃん」 - やきそばやってるお店は、サッポロの「赤ボシ」を置いている。 「わかってるねぇ~」って感じ。


   地下街の一番奥。 通路の一番奥なのだが、この扇風機って何用?

寒空散歩


   歩道の植え込みのなかに、たくさんのスズメが。 コロコロと枝と葉っぱの間を小刻みに移動しながら陽だまりで暖を取っているのだろう。 時々一斉に飛び立つと、つられて50羽くらいが植え込みから出てくる。


   半蔵門近くのお堀。

2013-12-30

石川酒造散歩


   夕刻の到着。 すでに暗くなりはじめていたので、写真もそれなりに。
   細い路地を入った古そうな町のなかに、立派な酒造元が目に入る。 敷地には、酒蔵、ビール醸造所、レストラン、売店、住居といった建物がある。



   ご神木? といった構えのけやきの木。 根元ちかくには大黒様と弁才天様が祀られていた。 そのまた近くには「仕込水」と書かれた水がちょろちょろと流れていた。 この酒蔵の日本酒はなかなか芳醇で、たぶんこの水は、やや甘みのあるまろやかな味が想像される。


   なんだかゆーるりと暮れてゆく。


   Subaru 360のおなか? 鼻?
   Subaruと言えば、この2013年12月に、長く旗艦モデルだった「レガシー」が製造を終え、代わって「レボーグ」という車種が発売された。 その昔、Subaru 360はリバイバルの話もあった。 今で言うミニやフィアット500が、新たなデザインを得て世に出ているような事だったのだろうか。
   たぶんスバルの事だから、旧いまんまの復刻を考えていたろうことは想像に難くなく、1990年頃の市場も新しいデザインは求めなかったかもしれない。 ただ、復刻していたら面白かったろうなと、今でも時折考える。


   これは何用だろう? ビール蔵の壁面に積まれていた。 暖炉用なら「年」を表示する必要もなさそうなもので、薫製用とも思いがたい種類の木と見える。 この蔵のビールの醸造に用いると考えるのが自然だろうか。 でも、ビール醸造の行程を知らないので、やっぱり疑問のまんま。 今度機会があったら訊いてみよう。

2013-12-16

有楽町散歩



   Summicronの「F2.0」という明るさに任せてシャッターを切ってゆく。 昼間はシャッターの降りたお店の前で、やや寂しそうな表情の船長さんだったが、夜になるとお店には暖かい色のランプと客の賑わいを見守るようにキリっとした表情に。


   「ミルクワンタン」 - また不思議なお店。 たぶん「とろけるようなワンタン」なんだろうなぁと想像しながらカメラを向ける。 中から店主らしき男性がこちらを見ていた。 軽く会釈してまた歩を進める。


   ラーメン? 昼間よりも板の隙間が開いたような。 でもお店は開く気配がない。 こうした屋台が新幹線や東海道線、山手線などのガード下あたりに点在している。 あきらかに人の手が掛かっている気配があるのだが、一体何時になったら営業状態になるのだろう。 で、それってどんな風景なのか...。


   こちらはBiogon 2.8/28mm。 氷屋さんなのだが、どういった需要なのだろう。 一般的な料理屋は近所に点在しているが、魚屋という感じでもなく、さて氷の使い道とは? 不思議なガード下。


   ちょっと移動して、この先はもう八重洲口が近い。 高速道路のガード下のレストランが、鉄道下とはまた違った、ややどっしり構える雰囲気。 夕刻の洞窟といった店構えには興味を引かれる。

2013-09-10

どれがホントだろう?


   以前にも引用した事があるが、世間で一般論としてよく言われている諸説の真反対とも言える見解を多く発表している、中部大学の武田邦彦教授のブログに載せられていたものである。
   すこーし、感情的に書かれているようにも映ってしまう節もあるように思うが、論説自体はまぁ冷静に見える。
   引用したグラフの出処を明記してほしかったが、「地球温暖化はしていない」というのは、氏が平素から説いている事のようなので、いずれ引用先などの情報も目にする事があるだろうと、そこは楽観視しつつ掲載。

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   NHKや朝日新聞を見ていると、地球の気温は上がっているようにおもう。NHKと朝日新聞だけを見ている人に「気温は上がっていないよ」(事実)というと、イライラして怒る。

   なんで、そんなことで怒るのかというと、彼らも心の中では間違った情報(自分にとっては心地よい)を受け取っていることをうすうす感じているに相違ない。


   これは「地表の平均気温」だ。理由はさまざまだが、「この16年間、気温が上がっていない」のは確かだ。目盛りは14℃を基準にして描いてあり、ここで私が特に強調したいのが、「このグラフは専門家なら誰でも知っており、NHKや朝日新聞の担当記者も充分に知っている」ということだ。

   それでも「最近の異常気象は地球温暖化のため」と放送する。「世界的な気温は10年ある状態が続けば、その影響はでる」とされていて、すでに16年だから、「最近、気温が上がっている(ウソ)だから、異常気象が起こる(ウソ)」というのはNHKと朝日新聞のウソなのだ。

   科学は事実を無視して思想を選考させることに厳しくならなければいけない。そうしないと科学自体が崩壊する。「そんなにNHKを非難しなくても良いじゃない」というのは、科学ではなければ良い。

平成25年9月10日  武田邦彦

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2013-08-09

立秋を過ぎた夏の寸景


   立秋すぎとはいってもまだまだ夏。 日中は38℃を記録する地域もあり、夜は午前3時で30℃という熱帯夜に眠りを妨げられたのはつい昨日。 夕方の日差しは、音で言うと半音下がったような遠い記憶を呼び出すように響く赤色まじり。


   ユリ科の花というところか、ヒガンバナを思わせる花つきだ。 9月も半ばを過ぎると彼岸花が花芽を出す。 これと同じく茎がすーっと伸びて花を咲かせ、しばらくすると葉が地表に顔を出す。 「立秋」と聞いてからは、すっかり意識の中に「秋」があるのだが、まだ彼岸まではひと月以上もある。


   生ぬるい熱気と湿気のなか歩を進めて、ふと空に目をやると、1本の飛行機雲が地平線近くまで伸びていた。 遠い空へ、陽が沈み行く方向目指して飛んでゆく飛行機。 太陽を追いかけて、ずっと夕焼けの中なんだろうか。

2013-07-15

橋の上にて


   昨日はすごーくガスったグレーの空だった。 今日も昨日同様に夕立に見舞われそうな一瞬があったが、青空を保った。 その抜けはなんとも透明。